北海道へドライブ旅行をしようと考えた。 周りには車に対する色々な考え方があり、
車の運転をやめろ、免許を返上すべきだ、と 言った声をよく聞くが、それを耳にする齢に
なってきたと言うことであろう
しかし他の生物には年齢と言う意識は有るものだろうか?
牛や、トラ、象、等は自分の齢を勘定しているのであろうか?
我々人間は 社会が齢を数えて呉れていて、8歳、
はい小学校に入学しなさい、65歳の 貴方は
もう定年です、これ以上うちの会社には無用です。
後は年金を支給しましよう。 我々はそこに安住し切って生きているのではないだろうか?
生物の個体は一律ではなく、
能力、体力は個々バラバラで、
自分の限界を自分が一番感じているのではないだろうか?
人間も生物であり、社会が一律に線を引くのは、間違いではないか。
しかし他の生物には年齢と言う意識は有るものだろうか?
そんな事を 北海道旅行をしようと考えた時点で考えた。
何もAppleの Steve Jobs のスタンフォード
大でのかの有名な演説に触発された訳でもないが、
「 自分の直感を信じろ! ドグマに迷わされるな! 」
の言葉は自分を北海道に行かせてくれるに充分な説得力を持っている。
変な屁理屈を考えて、北海道へ行く気になった。
誰か一緒に行かないか、と考えNBさんに聞いてみた。
彼もバックバッカーとしての実績を持っており、
自分の直感を大事にするタイプなので、予想通り一つ返事で行くと言った。
これで決まりとなり、
10月1日に 名古屋→苫小牧の 太平洋フエリーに飛び乗る事にした。
苫小牧に着くまで、どちらの方向へ行くかも決めない、
自動車版バックパッカーの旅行を始めた。
10月1日 晴れ
名古屋港 19:00発 太平洋フェリー 「 いしかり 」総トン数 16,000トン
に乗船。車を 3号デッキに入れる。
我々は B洋寝台 1人が寝られるスペース のみの場所を確保。
途中仙台港に 寄るので 40時間の船旅 となる。
寝る時以外は ロビー、レストラン、劇場、 風呂、売店、デッキ などで過ごす。
太平洋航路はクルージング客も多く、夜8時か ら バイオリン・フルート・ピアノのトリオ演奏が 劇場であり、
その後 映画の上映もあった。
海は穏やかで、揺れも少なくノンビリ船旅だ。
10月 2日 晴れ
船は仙台港に寄り、仙台からの乗客が大勢乗ってきた。
今日もロビー、劇場で 同じトリオ演奏があり、
退屈しのぎにになった。
デッキに出てみると、丁度 福島沖を航行中で 福島原発が
海側から見えた。
海側からの福島原発はあんなに世界的にも騒がれた場所には
見えず変哲もない工場だった。
10月3日 曇り、晴れ
苫小牧港に午前11:00に着岸。
天気が良く、体調も悪くないので道東高速道路を
東進し、とりあえず帯広まで行きそこで、次を考える
事にした。
道東高速道路は大変走り易く、東名、名神の様に
両側を壁に囲まれていないので、山並みや遠い景観を
見て走れる。車のオートクルーズを80㎞/h,にセット、
キープレーン装置を動かし、
ハンドルに手を置くだけで、アクセル、ブレーキを
踏む事なく、帯広に到達した。
車が思ったより機能的に働くので、
このまま 道東高速で釧路まで走り釧路で宿泊、
知床半島、羅臼に向かう事にした。
運転途中スマホで検索、ビジネスホテル
「 アクシアイン釧路 」の予約を完了。
ホテル到着後 街に出る、繁盛している居酒屋へ
飛び込んだ。サメカレイの煮つけ、
根室のサンマ刺身、魚を色々食べたが、
北海道漁港だけあってみな旨かった。
10月4日 晴
知床半島 羅臼に向かう。今日もスマホで検索、
ゲストハウス 「とうまわり」に予約を確定した。
1泊2食4,800円安い。
羅臼到着。
ゲストハウスの宿泊は初めてだったが同宿の人々と
細長いテーブルを囲んでの夕食は、若い女性や男性に、
年寄客も混じり、とても楽しい談笑が盛り上がった。
若い女性達、年配客、宿の親父は アルコールに滅法強く皆よく呑んだ。 結構遅くまで楽しい良い時間を過ごした。
高級旅館も悪くは無いが、こう言う場所もあるのだと再認識した。
知床半島 羅臼は 北方領土 国後島がよく見える。
報道写真では無く、実際に目の前に大きな島が見える。
宿に荷物を置き かなり山奥にある" 熊の湯 "と言う、
天然自然温泉に行った。
地元人常用の無料温泉でただ湧き湯を岩で堰き止めただけの素朴なものだった。
湧き湯は 滅法 熱く、多分 45℃を超えていると思う。
我々は足を10秒も浸けておられず火傷しそうだった。
しかし浸かっていた地元人2人の薦めで 冷水の太い導管を、
近くに引き寄せ何とか入った。
浸かって見ると周りの山や深い森の景色がとても良く感動ものだった。ゲストハウスの親父に後から聞いた話では、熱い湯は体の疲れをとり、ぬるい湯は心の疲れをとるそうだ。本当だろうか。
でも見事に身体はシャッキリした。
途中 青い海に浮かぶ 国後島も
高い位置からの眺めを充分に見られた。
スマホのy-tubeから“知床旅情曲”を車のbluetooth で
スピーカーに出力し、それを聞きながら走った。愉快だった。
10月5日 曇り、晴れ
天候、体力等を熟慮した後、
知床峠を越え、網走を経由、紋別で宿泊し、
宗谷岬を目指す事にした。
距離はあるが、北海道の道路は、
真っすぐで運転し易く景色も良いのが結構気に入った。
森繁久弥、加藤登紀子の「知床旅情」の歌詞の中にある知床峠を車で登った。
峠の秋景色は絵を見る様に綺麗で印象的な素晴らしい峠越への道だった。
網走刑務所到着 昼食は 監獄食堂で、監獄カレー を食べた。旨かった。
ご飯が麦3 白米7のカレーで、こんな食事なら、網走刑務所に
1泊位いならお世話になっても良いかと思った。
紋別に到着。 紋別も結構大きな街だった。
“カラマツ”というユースホステル様の
宿に宿泊。
夕食に「 縞ホッケ 」の大きいのが出て煮物の味付けも
良く、北海道らしい食事がとても旨かった。
やはり北海道に来たならホッケを食べなければならない
2017/10/6 晴れ
オホーツク海を右に見ながら、真っすぐな道を進む。
これぞ “北海道”だ、と言えるドライブ道だった。
宗谷岬までは距離は有ったが、オートクルーズを
60km/h にセットし、ほぼ自動運転の感覚で走り切った。
120km/h で飛ばしたい気持ちは充分有ったが、
こんな所で違反で捕まる訳にはゆかない。
宗谷岬に到着。日本の最北端の海の眺めは広大で、
背後の山には展望台があり車で登れた。
実に壮観である。日本最北端まで来たと言う
感動もあり、充実感、達成感も感じた。
日本最北端 宗谷岬はとても雄大で背後の山の上には、放牧場があり、
巨大な発電用風車が多数回っていた。
山の上に 間宮堂と言うラーメン屋が賑わっており、
日本帆立ラーメンの発祥の店だと書いてあった。
岬近くの稚内市「美雪ホテル」に宿泊。
稚内は自分が今居る事を想像した事もない場所だった
が、大きな街であり夜の歩道に鹿の親子3匹が歩いて
いた。
近くの賑やかな居酒屋に最北端の鮮魚を食べようと
入った。 北寄貝の刺し身、これの釜めしも
ここでしか食べられない物であり、
堪能した。その他の魚も、実に旨かった。
2017/10/7 曇り、晴れ。
今日からは 南に下がり、旭川、美瑛、富良野に向かう。
ホテル オーナーの勧めで、敢えて高速道を選ばず、
旭川に抜ける事にした。
距離はあるがここも良い一般道で景色も良く、運転し易い道路だった。
道の駅でジャガイモを買い、茹でキビも買い、北海道らしさを味わいながら走った。
美瑛に到着 ラベンダーの時期は過ぎていたが、地元人のお奨めで“青い湖”に行った。
神秘的で綺麗な湖であった。思ったより観光客も多く、中国人観光客もバスで来ていた。
ぜれぶの 丘を見学、十勝岳の眺めがよくバギー車を借りて花畑を乗り回した。
ここで富良野での次の宿を予約確保した。スキー場の近くだった。
10 月 8日 晴れ、曇り
富良野「ファーム富田」と言う観光施設がある花畑に立ち寄った。
大きな施設で、観光客向けの カフエ、レストラン、土産物売り場、があり
その広々とした広大な土地には花壇があり、綺麗に色分けされた花々が見事に咲いていた。
十勝岳も良く見え、観光客に人気のスポットだった。
更に南へ走り、南富良野から右手に夕張岳を眺めながら、占冠村を経由し、道東高速に抜ける道を通った。両脇に白樺の群生したとても景観の良い道路で、実に北海道はどのローカル道を通過しても、一味も、二味も違った趣を持ちドライブには良いところだ。
道東高速経由で苫小牧に到着。ここで1泊した。
10月9日 曇り
フェリーの予約19:00発も確定していたので、
北海道へ来たからには本格的な温泉に入ろうと言うことになり登別まで車を
走らせた。スマホで “石水亭”に問い合わせ豪華温泉に浸かる事になった。
これでこの北海道旅行も、温泉には入ったし、新鮮な魚も食べたし、北方領土も視察したし、
網走、宗谷岬までも到達したので、旅行はこれで完結し大変満足のいくものとなった。
10月10、11日 曇り、晴れ。
苫小牧港 17:00に車を船に乗せ40時間かけ仙台港経由で名古屋へ戻った。面白い、良い旅だった。
総括:
人生 ラストワンマイルの旅もいよいよ終結が
近づき、この思い切ったドライブも良い
思い出となるだろう。
しかし他のドグマに迷わせられなければ、
きっと延長戦も有るかも知れない。